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LHZuoteng 新分野への旅 (新领域之旅/新領域之旅/신 분야로의 여행)

让我们到新的领域!(外语、地理与历史、政治与经济 / Vocaloid) 等我地去新嘅領域去啦!(外文、地理與歷史、政治與經濟 / Vocaoid) 새로운 분야를 여행 가자!(외국어, 지리와 역사, 정치와 경제 / 보컬로이드)

発音記号・IPA特集 #その2-1 母音2

IPA:国際音声記号(発音記号) 言語学

こんにちは。Zuotengです。

你好。我是Zuoteng。

안녕하세요. Zuoteng이에요.

Здравствуйте. Я Zuoteng.

 

お久しぶりです。様々な要件が重なり、瞬間的に多忙を極めたため、更新することができませんでした。今回は久々の話になりますが、IPAについてです。

過去のIPAシリーズをご覧になった後だと、今回の記事がより楽しめます。また、過去の回で登場したIPAは既に読めるという前提で話を進めさせて頂きます。

lhzuoteng.hatenablog.jp

lhzuoteng.hatenablog.jp

lhzuoteng.hatenablog.jp

 

と言う訳で、今回はIPA(国際音声記号)の『日本語、英語の外』その一、母音編です。

 

 

発音名の右の( )には、各音が使われる主な言語を載せました。

:日本語、:中国語(北方方言)、:広東語(南方中国語)、:韓国語、:ドイツ語、:フランス語、:イタリア語、西:スペイン語:ロシア語、:ギリシャ語、:トルコ語

注:”英語のsの発音”、”英語のtの発音”、などの表現はあくまで一例であり、該当する文字又は発音すべてが表記の通りとは限ません。

 

f:id:LHZuoteng:20161025190002j:plain

(↑母音のIPAの表)

 

前舌母音

/y/ 円唇-前舌-狭母音 (中:yu,ü 広:yu 独:ü 仏:u 土:ü)

yですが、発音は ユー に『近い』です。ただ、注意して頂きたい点、発音のコツがあります。/ju/ は、あくまで 子音+母音 (/j/+/u/)であるのに対し、/y/ は、『一つの母音』であり、発音の途中で舌の位置や形状が変化することはありません。/ju/をゆっくり発音してみると、「ィィユウゥゥーー」みたいな感じになりますね? この「ィィユ」が子音の/j/で、「ウゥゥーー」が母音の/u/です。

/y/を発音する最大のコツは、前述の通り『舌の状態を/j/の状態でキープする』ということにあります。また、/y/は、/i/と円唇、非円唇の関係にあるので、/i/の発音を続けたまま、唇をすぼめるという方法でも/y/の発音ができます。すると、/ju/のように子音と母音の区別が聞こえなくなる(というか無くなる)のがわかると思います。

ちなみに、ビュッフェ(仏:buffet /byfe/)などのuの音です。

 

/ʏ/ 円唇-前舌-広め狭母音 (独:eu /oʏ/、仏(?) )

/y/より若干緊張を緩めて発音します。/y/と/ɪ/の発音が出来てしまえば、/y/と同様に円唇の状態で、/ɪ/と同様にやや緊張を緩めて発音すれば/ʏ/が発音されます。

 

/ø/ 円唇-前舌-狭中母音 (韓:외(oi) 独:ö 仏:eu)

「口の形はウで、エと発音する」と解説される母音です。言い換えれば、円唇の状態で/e/と発音すると/ø/になるということです。この音の場合は、「エー」と発音しながら、『舌を動かさずに』ゆっくりと唇を閉じていくと、この発音が出来ます。/y/の発音が出来たのであれば、/y/の発音から少しずつ舌と口蓋を離していくとこの音になります。

 

/œ/ 円唇-前舌-広中母音 (広:oe 独:ö 仏:eu 土:ö)

要領は/ø/と大体同じです。/e/と/ε/の違いと同様に、若干口内を広げて発音すると良いかと思います。

 

/ɶ/ 円唇-前舌-広母音 (仏:eu)

/y/→/ø/→/œ/→/ɶ/と口内の空間を広げていけば/ɶ/の発音になります。

 

中舌母音

/ɨ/ 非円唇-中舌-狭母音 (露:ы)

定義から言うと、/i/と/ɯ/(後述)の中間の母音です。舌面の最高点は、子音で言うところの硬口蓋と軟口蓋の丁度中間に当たると思います。/i/,/ɯ/,/i/,/ɯ/...と繰り返し発音していれば/ɨ/が発音されるはずです。ロシア語を学習するには大きな壁です。

 

/ʉ/ 円唇-中舌-狭母音 (ノルウェー語、スウェーデン語など)

/ɨ/と同じ要領で、/y/,/u/,/y/,/u/...../ʉ/となると思います。

 

/ɘ/ 非円唇-中舌-狭中母音
/ɵ/ 円唇-中舌-狭中母音 (モンゴル語:)
/з/ 非円唇-中舌-広中母音 (英)
/ɞ/ 円唇-中舌-広中母音

/з/以外はかなりマイナーな部類の母音であり、説明に困るのですが、/ə/を基準にして、若干/ɪ/に近づけると/ɘ/に、/u/に近づけると/ɵ/に、/a/に近づけると/з/に、/o/に近づけると/ɞ/になります。/ɜ/は、英語の--irdのiの発音になります。

 

/ɐ/ 非円唇-中舌-広母音 (英英、独、ギ)

やや/ə/よりの『ア』です。ドイツ語のderのrなど。

 

後舌母音

/ɯ/ 非円唇-後舌-狭母音 (韓:으 土:ı)

/y/とは逆に、唇の形はイで、ウと発音します。韓国・朝鮮語トルコ語(等のテュルク語族)は、いずれも/u/と/ɯ/の対立がありますので、唇の円唇か非円唇かで使い分ける必要があります。(韓国・朝鮮語では우と으、トルコ語のuとı)

ちなみに、日本語の『ウ』は、/u/と/ɯ/の中間に位置しているので、『唇をしっかりすぼめること(円唇)を意識すると/u/』そして『唇を軽く横に引くこと(非円唇)を意識すると/ɯ/』となることを抑えておくと、唇を意識するだけで/u/と/ɯ/の区別ができます。

 

/ɤ/ 非円唇-後舌-狭中母音 (中: e (ピンイン))

日本語話者にはかなり難易度の高い発音です。/o/とは円唇、非円唇の関係にあるので、舌面を/o/の形にして(/o/の発音をした状態で)、唇を/ɯ/のように緩めると/ɤ/になります。参考程度に、口蓋と舌面の距離の観点から見ると、

狭) /ɯ/-/ɤ/-/ʌ/-/ɑ/ (広  という感じになります。

/ɤ/の音に関してもう一つ。歴史の教科書に登場する中国の固有名詞には、日本語読みに加えて中国語読みが書かれるようになりましたね。この中国の固有名詞のうち、毛沢東の読み、マオ・ツォトン(ピンイン:Máo Zédōng)や、周恩来の読み、ヂョウ・エンライ(ピンイン:Zhōu Ēnlái)のeの綴りは、正しくは『エ』や『オ』ではなく/ɤ/なんです。また、日本語に/ɤ/の音が無いため、ピンインのeは『エ』や『オ』などと表記ブレが生じるんです。

 

 

 あとがき

以上、日本語と英語で使用されない母音を紹介しましたが、何せ普段触れる事がかなり少ない音なので、説明が非常に難しかったです。そのため、説明に難がある部分や、わかりにくい表現になってしまったものもあると思います。少し大目に見て頂けたら幸いです。

次回は日本語にも英語にも無い子音を紹介する予定です。個人的には子音の方が得意(?)だと思うので、多少はマシになればいいなと考えています。

lhzuoteng.hatenablog.jp

 

では、今回はこの辺りで。

再见。

안녕히 계세요.

До свидания.

 

参考

改訂 音声学入門

改訂 音声学入門

 

 

 

11月23日 勤労感謝の日